テレーズデスケイルゥ

テレーズ・デスケイルウ (新潮文庫 モ 3-1)

テレーズ・デスケイルウ (新潮文庫 モ 3-1)

良かった。読み返して3度目位かな。改めていいと思う。何がっていわれると、それはちょっと解らないけれど良かった。読むたびにいい本だなって思える本。あんまり人気ないけど、異邦人クラスじゃないのこれはってくらいいい本だった。
 テレーズは無心論者。無心論者は絶えず不安を抱えているっていうのが前提なのかな。神がいないから、善悪の規定が無いから絶えず不安を抱えているってことかな。よくしらねーけど。んでまあテレーズは気まぐれつうか、なんつかその不安ていうのか、漠然とした不安から、ベルナールっつういいとこの坊ちゃんと結婚をした。そういう家庭つう、嫁つう、妻つうそういう確固たる地位みたいのを持ったら不安から逃げられるんじゃないかみたいな。まぁ軽いのりで、んで、結婚式の日に聖歌を歌う子供たちの顔の中に自分の虚無を見る。もう自分は永遠に孤独になれず、また暗い妄想にひたることも出来ない。
 んで、ベルナールつう、これは夫なんだけど、よーは面子、対面をすげー気にするし、逆にそれだけで生きていて、それが全ての基準となる。だからベルナールには不安なんて無いけれど、いつもわかりきったことしか聞かないし、言わないし、テレーズは夫に理解されるとは思っていない。だから孤独だった。ってここがパラドクスというか、孤独に浸れないことを願っていたにも関わらず、ベルナールに理解されない孤独というものを感じている。

よし保留