イワン

 あれだ、もう何回も読み直しているカラマーゾフ。悪夢とあんちゃらの箇所でホサナが試練を潜り抜けなくてはいけないってあって。んで、ドミトリの裁判中に此処にいる連中は全員、死体、事件を望んでいるんだ。ってそこだわな。民衆の弱さ、大審問官で指摘している民衆は指導者無し奇跡無しに自由を手放したく仕様が無いという箇所、自由を親殺しの事件によって、黙認する興味ゆえに。そこにイワンにとっての打算、遺産が配流だとか、カーチャのこととかよりも、自分も大衆と同じように父の死を望んでいたこと、ホサナを得るためなのかは知らないが、大衆の興味、ホサナのための親殺し事件を見世物として、その上でホサナと唱えるやつらを唾棄していたやつらと、フョードルの殺害を望んでいたイワン。指導者を持たなければならない憐れな愚民が自分もまた然りであったことが悪夢に結びつく